1108 運動会6

*6
さてこんどは5年生のときの話だよ。
5年生からは高学年なのでコースも100メートルになったよ。
さすがに100メートルは長く感じるよ。
れんしゅうのときちょっとイヤになるくらいだった。
おいらの先生はなべせんで1年生のときからずっとうけもち。
それでおいらのくせはよく分かっているのでどんな風にすればおいらがうまく走れるかちゃんと知っている。
ぐらぐら走りをちょっとでも直すために手のふり方を横に振るのではなくてたてにふれと教えてくれた。
それに頭もぐらぐらするので出来るだけ手と同じようにたてにふるように教えてくれた。
だけどこれはむずかしかった。
どうしてもよこやななめにふってしまうくせが直らない。
それより100メートルを走りきることのほうがえらかった。
とちゅうでからだがばてぎみで力がわいてこないのだ。
それでこれはやっぱりゆかせんにおうえんを頼むことにした。
「れんくーん、がんばれー」とゆかせんの声が聞こえると、なんだかしぜんとちからがわいてくる。
去年はしかしそれで失敗したのだが今年はゆかせんの声が聞こえてもかっこつけることはやめてちょっとだけちからを入れてみることにしたのだ。
そうすれば急に力を入れるとつまずきそうになるが、ちょっとだけならそうならないと思ったからだ。
そしてこんちゃんの方の作戦は、おおせんは去年みたいに車いすで走ってあと15メートルのところでこんちゃんをおろしてかかえて走る作戦だ。
こんちゃんは車いすの上で派手に手をふり足もばたばたさせていかにも走っているみたいに見える。
今年はわきせんは来ないかもしれないが、こんちゃんの応援団はいっぱいいるからこんちゃんも結構かっこつけて走るだろう。
こんちゃんの応援団は、いつもこんちゃんの学級のひまわり組に休み時間に遊びに来てくれるみほちゃんやさりちゃんやさくらちゃんなどだ。
ゆかせんもこんちゃんはおうえんしているのだが、片方だけではやはりせんせいとしてはひいきになるからね。
まえおきはこれくらいにしてさてどうなったか。
「ようい」ぱーんでやっぱりはやく飛び出したのはこんちゃんのほうさ。
おいらはぐらぐらしながらも、こんどは転ばないように気を付けて走る。
曲がり角へ来た。
おいらはちょっとスピードを落とした。
でもちょっと勢いがついていたのでおもわず観客席の方へよっていきそうになる。
するとなべせんが「おっとっと」といって手をのばしてそちらへ来ないようにする。
こんちゃんとはだいぶん離れてしまった。
そこでゆかせんが「れんくーん、がんばれー」とさけんでくれる。
おいらは「よし、が・ん・ば・る・ぞ」と思ってちょっと力を入れる。
「よし、ころばすにいけるぞ」とおもって調子をあげる。
うちのかあべえやじっちゃんのこえも聞こえる。
「れーん、がんばれー。」
おいらは急に力が出た。
そしてこんちゃんがもうかかえられて走りだしているところまでもう少しでおいつきそうになる。
おいらは不思議ところばすにしかしゆっくりとこんちゃんにおいついてしまった。
こんちゃんは目をつり上げたようにして怒っているみたいな顔して走る。
おいらはゆっくりとこんちゃんをおいぬく。
こんちゃんは、「あー、あー」とか「おーおー」とかいいながらついてくる。
そしておいらがゴール。
こんちゃんは2,3,メートルおくれてゴール。
観客のみんなはわーわーと歓声を上げる。
そして拍手をしてくれた。
おいらはなんだかおいら一人の力で勝てたような気がした。
ゆかせんやかあべえやじっちゃんやそれに観客のみんなが応援してくれたけど、それももちろん力になったけど、それよりもおいらがおいらの足で走ったのだからおいらの気持ちがおいらを走らせたような気がしたのさ。
ことしもだけど仲良しのこんちゃんだから握手をしておわりにしたよ。
これで対戦成績は3対2でおいらが一つ勝っている。to be continued @ tuesday
「たんぽぽの 踏まれてもよし 短さよ」 0325
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Author:JAZZY
田舎親爺のつれづれ日記。記憶を記録に、記録を記憶に。
Jazz大好き、クラシックも大好き。
JAZZYは邪爺ことよこしまなじじい。
生き馬の目を抜くような世の中、ちょっと立ち止まりしゃがんでみよう。そして斜眼で見える世相を書いてみたい。

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