1424 春の朝3

ブラウニングの詩で上田敏訳の「春の朝」という題名ですぐ思い出した詩がある。
西脇順三郎の「カプリの牧人」という題の短い詩。

春の朝でも
我がシゝリヤのパイプは秋の音がする
幾千年の思ひをたどり

これは第1詩集「アムバルワリア」という詩集の中の2番目に出てくる詩である。
1番目に出てくる詩の方が圧倒的に人気があるというか引用数も多いのだが、自分的にはこの詩から始まった。
読んだときがつんと来たのである。
面白かったのである。
シシリアのパイプという音の響き。
春なのに秋が来る。
幾千年という長い歴史のスパンがすごく深みを出している。
題の「カプリ」ということばの響きがいい。
「牧人」というあまり使用頻度のないことばの響きも良い。
そして、ヨーロッパ的、地中海的なイメージがする。
などなど。
たった3行なのにいろいろイメージが広がるのである。
パイプというのは最初はタバコを吸うあれのことかと思ったが違うようである。
タバコを吸うときすぱすぱとするがあの音を連想しそれが秋の音かと思ったのである。
「カプリ」ということばが「プカリプカリ」とすうタバコのパイプを連想させる。
どうもこの場合のパイプは、バグ・パイプとか言うように笛のようである。
シシリアという地名の響きも良い。
シシリアン・パイプという言葉があるようでそれはやはり笛(葦笛)のことである。
でもタバコを吸うパイプの方が面白い感じもする。
楽器の葦笛なら音がするのは当たり前で、タバコのパイプなら音は二次的なもの。
そちらの方が詩的イメージとしては面白いじゃないか、と思うのである。
2行目と3行目の倒置法的な書き方もいい。
倒置されていなかったら全然詩的にならない。
この詩は初めて目にして以来、短いので暗記してしまっている。
「春の朝 詩人の耳に 秋の音」
「イメージが 離れて寄って 詩になった」
「素敵だな 詩的な言葉 シシリアン」
「詩に遠い トランプABの フェイクな語」
「目をつむり 三行の詩に 癒される」0207
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田舎親爺のつれづれ日記。記憶を記録に、記録を記憶に。
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