140101 森に行く

こざっぱりとした白銀の世界。
少しの粉雪は薄汚れた空気と世界を浄化した。
一人でその中を歩く。
森に入る。
一層静かな冷気が頬や全身に伝わる。
肺の中が清新な空気で満たされて行く。
このままずっとこのままでいたい。
鹿の足跡が残る田を見る。
彼らもまた清新な空気を求めてぬけだしてきたのか。
泥を跳ねあげて喜びにみちているようだ。
今日の日は許してやろう。
灰色に覆われかけていた空が真っ赤に染まりかけていく。
夕焼けの空は君たちの血の色。(新八犬伝から)
ああ夕焼けの空は我らの血の色。
愛し合い信じ合う契りの血の色。
熱い血潮がふやけて腐敗した暴虐の城を吹き飛ばすのだ。

雪の落ちる音が聞こえる。
秋につもった枯れ葉の上に。
鹿よ帰れ。
雪の枯葉を踏んで清冽な森へ帰るのだ。

すべては森へ帰ればいい。
森には争いはない。
森は拒まない。
大いなる抱擁。
大いなる生。
森、森、森。
私は森を呼吸した。
私は森に溶けた。
森閑として私は胎内にいるかのよう。
古い記憶の懐かしさを覚えたのだった。
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プロフィール

Author:JAZZY
田舎親爺のつれづれ日記。記憶を記録に、記録を記憶に。
Jazz大好き、クラシックも大好き。
JAZZYは邪爺ことよこしまなじじい。
生き馬の目を抜くような世の中、ちょっと立ち止まりしゃがんでみよう。そして斜眼で見える世相を書いてみたい。

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