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1832 アウシュヴィッツの歯科医

歯科医

標題の本を読了。
ベンジャミン・ジェイコブス著。
この前は「アウシュヴィッツの図書係」だったが、似た題名である。
ユダヤ人として各地の収容所に送られ悲惨な状況を体験した話が書かれている。
歯科医の勉強をしていたおかげで、またその治療用具を持って行ったおかげで悲惨な状況におかれながらも普通よりはちょっとだけましな待遇を受ける。
ちょっとしたロマンスもあったことは驚きだった。
目も背けたくなるような体験、それは絞首刑を見せられたり、その遺体を運ばされたり、死体から金歯を取らされたり、自らがむち打ちをされたり、ぎゅうぎゅう詰めの貨車の中で何日も閉じ込められたり、とこれでもかという悲惨な状況をかいくぐっている。
最終的には解放となるがその間際の事件も悲惨である。
もう少しで解放となるとき、当時の豪華客船に乗せられるのだが、その船の名は「カップ・アルコナ号」で6000人もの人が乗ったその船を解放者(味方)であるはずのイギリスの戦闘機に爆弾を打ち込まれて沈没。
そのために何千人が死んだのである。
海運史上まれに見る大惨事である。
そして戦後ドイツの人々の180度手のひらを返したような扱いに筆者は驚く。
いわゆる命令に従っただけというような。
ハンナ・アーレントのいう「凡庸な」悪である。
いずれにしても読んでほしい作品ではある。

「悪は悪 行動しなけりゃ 悪は善」
「凡庸な 悪で片付かぬ 悪がある」
「戦争に 愚かさを見る 人間の」0324

1823 おらおらでひとりいぐも

olaola.jpg

送られてきたある会員通信を見ていたら、知り合いの女性の旦那さんが急逝されたとある。
いわゆる突然死のようなものだと思うが驚愕した。
冥福を祈る。

芥川賞だった若竹千佐子「おらおらでひとりいぐも」を読了した。
夫を亡くした女性がその後の人生をどう生きていくかの日々の出来事を淡々と描きながらの告白的文章が続く。
津軽弁をふんだんに入れて書かれている。
夫を亡くし、子どもたちとは疎遠になり、一人住まいとなった身のわびしさが伝わってくる。
配偶者を亡くして一人になったときどんな気持ちでどんな生活があるんだろうと考える。
男だとずっと落ち込むのだろうか。
女だと結構明るく楽しく生きていけるのじゃなかろうか。
この小説では小説のほとんどを占める妄想的な独白がおもしろいところだが、やっと最後の1,2ページで孫が訪ねてくるところで現実的になって終わる。
現実に戻るとやっぱり楽しそうじゃないか。

国会のぐちゃぐちゃはまだまだ続きそうである。
今は文書の改ざんが問題になっているが、改ざんも大問題だが、改ざんをしなければならないモリトモの土地売却問題も大事である。
二つの問題をきちんと区別してしかも関連させながらの追及となろう。
カケの問題もあるし、ヤマの逮捕取り消しの問題もあるしこんなに問題があるとアベももう終わりだろうぐらいは誰でも分かる。
九条問題を国営は流しているが、そんな忖度はもういらない。
ジミンも九条にどうしてもこだわりたいように動いているが、メディアはそんなことは潰すべきである。
と思う今日この頃であった。
目がかゆい。

文科省が一授業に介入か。
あり得ないことを自らするとは、前川氏は激怒だろう。

「目潰しを 九条論議で かましてる」
「アッキーに 忖度してる 与党ども」
「行くのなら 一人で行かない あなたもよ」
「北軟化 改憲策動 非現実」
「ここに来て 王様の裸 見えちゃった」
「アベ与党 ジタバタせずに 観念せい」
「おらおらで 一人じゃなくて 皆でいけ」0315

1813 夢は夜ひらく

「オール讀物」2という雑誌を図書館から借りて読んでいる。
石田衣良のIWGPシリーズの最新版が読める。
ほかにいくつか読み切りや連載物そしてエッセイを読む。
今号では五木寛之のエッセイ「昭和は遠くなりにけり」が同感だった。
その中で昭和歌謡というものの中で「夢は夜ひらく」のことを書いている。
この歌は藤圭子の歌でよく知られているが、はじめは園まりが歌っていた。
で調べるとこの歌詞は歌手に合わせて30種類はある。
自分もそのことを誰かに伝えたくて、日頃から手ぐすね引いて待っていたのだが五木氏に先を越された。
なんてどうでもいいのだが、その中でも三上寬の歌詞は出色である。
ここには書けないが暗い東北が浮き彫りなるような歌詞である。
五木氏は「甚八の夢は夜ひらく」の歌詞を一部紹介している。
三上の歌詞もこれと似ているがもっと暗くすさんだ感じ。
甚八は根津甚八だろう。
  
好きな啄木 朔太郎
ボストン・バッグの隅にいる
どこでねじれたか ドヤ暮らし
夢は夜ひらく

相槌打つのに 困ったか
闘争くずれの 学生が(せいがくが・と読む)
小便する間に 消えていた
少し情れないぜ(つれないぜ)

5枚組の藤圭子のCDを以前に買ったのだった。
やはり「夢は夜ひらく」が聞きたかったから。
声もうら悲しくてブルースっぽくて好きなのだ。
三上のCDもある。
どれも暗い歌ばかり。

1811 日の名残り

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s-石黒

カズオ・イシグロの「日の名残り」を読んだ。
1989年とあるから結構古い、というか約30年近い前の作品である。
全然知らなかった。
文学賞を得たと言うことで借りてみた。
イギリスの貴族的な家における執事の目を通してみた世界のようなことが書いてある。
終わりに近くなるに従って、第2次大戦の時の様子とかイギリスとドイツの外交史みたいな裏話的なことが語られる。
執事としてのあり方、日本ではあまりそういう職業はなじみが薄いが一つのステータス的な職業としていろいろ語られる。
結構飽きることなく最後まで面白く読めた。
写真は226ページなのだが、ここである村での政治好きのおっちゃんの言葉が語られる。
「民主主義」とは何だみたいな。
戦場で命をなくしたものが民主主義を残してくれたみたいなことを言っている。
日本においては戦争で命をなくしたものが新憲法を残してくれたというイメージにオーバーラップしてこの部分は興味深く読んだのだった。
だからこの民主主義―憲法を守るために一生懸命やっていると。
おいらたちが今やっていることに似ているじゃないかと思ってしまったのだ。
でもこのおっちゃんの言葉も次のページでは否定的に言われたりするのだ。
イシグロとしては結構突っ込んで書いているなと。
7日間の旅行のことからいろいろなエピソードを交えて語られるこの話はまさにいろいろなことを考えさせられて面白かった。

1807 アウシュヴィッツの図書係

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表題の本「アウシュヴィッツの図書係」を読了した。
著者はアントニオ・G・イトゥルベ。
スペインのジャーナリスト・作家である。
アウシュヴィッツ関係の本はいくつか読んだが、これは実際の話を元にしたフィクション。
フィクションであるがほとんど実際に起こったことであろう。
どこのページを開いても暗鬱たる気持ちになるような言葉では言い尽くせない過酷な状況が語られる。
言語に絶するというのはこのことだろう。
極限状況というのもこのことだろう。
毎日続く悲惨と絶望の繰り返し。
打ちのめされる人々。
読む方も胸が詰まり打ちのめされる。
アウシュヴィッツで起こったことの極限を超える人類の悲惨はないだろう。
ディタという少女(実在)が収容所で図書係という秘密の役割を任される。
収容所内に作られた何かの時にナチスが世界を欺くための家族棟、つまり国際的な赤十字のような視察団が来たときに見せるための施設。
こんなにして家族を大事に収容していますという施設なのだ。
その中にいる子どもたちのために学校が作られる。
しかし基本的に本などは持ち込めないことになっている。
もし見つかればガス室行き。
そんな絶望しかない収容所のなかで8冊しかない本を守り抜き、小さな希望と勇気を落ち続ける主人公。
結局、戦争は終わり収容所からの生還を得るが戦後も数奇の運命。
それは440ペーほどある中の最後の2、30ページで語られる。
400ページほどは収容所生活の悲惨な様子が次から次へと語られるのだ。
物語風になっているので中高生向きでもあるが大人もOK。
読書0の大学生にも。
そして戦争好きの亜米一族にも。
といっても読書は苦手だろうなあ、歴史あまり知らないから。

「『極限』の 一語で言えない 歴史知れ」
「人類の 最悪を見た アウシュヴィッツ」
「為政者は 行って見るべき アウシュヴィッツ」
「アウシュヴィッツ 後に戦争法 作る馬鹿」0227
プロフィール

Author:JAZZY
田舎親爺のつれづれ日記。記憶を記録に、記録を記憶に。
Jazz大好き、クラシックも大好き。
JAZZYは邪爺ことよこしまなじじい。
生き馬の目を抜くような世の中、ちょっと立ち止まりしゃがんでみよう。そして斜眼で見える世相を書いてみたい。

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